2024年5月12日にサントリーホールにて、ジョナサン・ノットさん指揮、東京交響楽団の大地の歌を鑑賞してきました。
以下素人が好き勝手書く感想になりますことを、ご承知おきくださいね
大地の歌は聞きやすい
前日にマーラー9番を聴いたのですが、やっぱり大地の歌の方が随分と聴きやすいですね。
9番は正直重すぎて日常的には聴きづらく、本腰入れて挑むような作品のように思います。一方、大地の歌は朗らかで可愛らしいところも多く、第2楽章では仙人見たいな人が小走りをして、春節のお祭りに参加したりして、と楽しい情景を思い浮かべることができます。マーラーの中の中国のイメージがどのようなものだったかをその通りに想像することはできませんが、アジア人ではない人間による中国のイメージという、文化の真意には届かない中での作曲であるところが、返ってこの曲の良さとなっているように思います
個人的な思い出
もう4年くらい前のことになりますが、私が以前病気で眠れない時期に夫からプレイリストを送ってもらい、その中にこちらの曲が入っていました。大地の歌を聞くと病床に伏していた時のことを思い出します。音楽はいつでもその時の思い出を蘇らせ、しみじみとした気持ちにさせてくれますよね。色々感謝したい気持ちになりました。
まとまりがあり艶っぽい
ジョナサンノットさんの指揮は数年前に拝聴していたのですが、こんな感じだったかしらと良い意味で驚きました。数年かけてオケとの関係も深まったこともあるのでしょう、まとまりがよく、音が妙に艶っぽい感じがしたのです。曲の盛り上がりの中でも品があり、熱いばかりではない大人の音楽という印象を受けました。きっと奏者は音の入りに緊張するような静かな場面でも安心感があり、ただ音楽を楽しむことができました。
歌手2人とも素晴らしい
テノールとアルト?の2名の歌手が出演されていました。女性の方のシルバーのドレスがとても素敵で思わず見入ってしまいました。あんなドレス一度着てみたいものです。お二人とも本当に素晴らしい技量の持ち主で、こちらも一緒になって歌っている気分にさせられるほど、聴衆を没入させる表現者たちでした。彼らのピアニッシモもきちんと聴こえてきたことから、ジョナサンノットさんはこの歌とのオーケストレーションをかなり気にされていたのだろうと思います。とてもよいバランスで聴こえてきて、これは神業だなと。いやあ、素敵でしたね。
第6楽章
長い・・・!笑
これで正解なんでしょうか。もやの立つ海面を、音を立てずに船が進んでいくのを浜辺から見守っているような情景を思い浮かべましたが、まさにリアルタイムに見送っているくらいに時間がかかる出航でした。このぼんやりに身を委ねるのがきっとよいのでしょうね。中国では別れを大切に惜しむ文化があるのでしょうか。
夫の記事はこちらです!
コメント