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においについての指摘をする

かわいいランチョンマット

嬉しかった話です。

私の働いている職場では女子更衣室があります。そこは後付けで間仕切壁を設置してドアを付けただけのスペースです。そのため窓も換気扇もなく、よく空気がこもります。

そんな中でとある女性が、指摘をするかに迷うくらいのにおいを発していました。その方は持病もあり、肌質やら薬やら何やら色んな要因が考えられ、素直に伝えたら傷つけてしまうかもしれない、と黙ってやり過ごしていました。私がその部屋を使うのは、出勤と退勤の着替えの時だけです。とにかく早く着替えてしまえばそこまで負担にはなりません。

しかしここで好奇心が湧きました。
もし、たった今ここで私が「においます」と彼女に伝えたら世界はどうなるのか。

この好奇心が芽生えてから、なぜか余計ににおいが気になるようになり、ストレスを感じるようになりました。私は彼女と友好関係が築けていたのですが、最近あまり雑談をしなくなっていました。これはいよいよ関係的にも我慢するのではなく伝えてみた方が良いのではという気持ちに傾き、以前聞いた母の体験談が思い出されました。

母の職場の話です。隣の席から異臭があったのだそうです。どうやら発生元はどうやら隣に座る女性で、しばらく様子を見ていたのですがいよいよ我慢ができなくなりました。本来母ははっきりとは物を言わない優しい性格なので、色々葛藤はあったのですが、勇気を出して「お風呂ちゃんと入ってる?」と聞いてみたのだそうです。

言われた当人はやはりショックな顔をしたそうですが、その翌日から不思議とその人に急に懐かれはじめ、母が退職の時には一番たくさんプレゼントをくれたのだそうでした。

それはネガティブなことを伝えるということは、一見相手を否定することでもあるのですが、逆に「言いづらいことを伝えてくれた」という信頼感にも繋がるという話でした。「きっとその人だったからこその話なんだろうな」とは思いつつ少しだけその可能性に期待します。

そして今朝、やっと踏ん切りがつき更衣室で思い切って伝えてみました。思えばこのような、どう転がるかまるで分からない実験のような行為って、今までしたことが無かったかもしれません。緊張しました。

母ほどストレートには伝えられませんでしたがなんとか要点は伝え、恐る恐る相手の反応を伺いました。びっくりしたことにその人は照れくさくて逃げるようにするというわけでもなく、ただお礼を言って、気を付けますと言ってくださいました。その潔さにびっくりして、拍子抜けもして、なんだか逆に私がその人のことをもっと好きになりました。笑

私は自分の好きなことも嫌いなことも表に出すことを躊躇してしまいます。でもこういう体験は、毎日がもっと素敵に感じられるエッセンスになりますね。

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