2024年5月11日は、サントリーホールでカーチュン・ウォン指揮日本フィルハーモニー交響楽団の第760回定期演奏会 マーラー 第9交響曲を聴きました。
マーラー9についてはこちらもご参照ください。
カーチュン・ウォンの振る日フィルのマーラーは全て聴いていますが、いずれも秀演であり、マーラー作品を何千回も聴いているマーレリアンの私でも、新たな発見があります。
私はマーラー9は月面のように荒涼とした第1楽章で全ての出来事が完結しており、その圧倒的な音楽世界を経過した後の第2〜4楽章は、余計であるとさえ考えています。
今回も見事な指揮であり(もちろん暗譜)、第1楽章および第3楽章で目立ったのが、高みに登ってからの崩壊が猛スピードで繰り広げられ、カタストロフィックな破綻が強調される点です。
指揮棒を置いて始まった第4楽章は、私の好みとは真逆のゆっくりとしたものです。しかし祈りとも言えるその音楽世界には説得力がありました。観客席の集中度もかなりのもので、2分も沈黙が続きました。
後期の作品中において、管弦楽の技法を極限まで突き詰めた6番、メタ音楽としての7番、宗教的法悦ともいえる8番、現世との訣別である「大地の歌」、月面のように荒涼とした9番で死を受け入れ、その先に行き着いた10番、いずれの音楽世界も言葉で形容することはできません。
来年のマーラー2「復活」も楽しみです。
ごうた
下は同コンサートの妻の感想です。
【感想】マーラー交響曲第9番(2024年5月11日 日フィル・カーチュンウォン) | ゆりとごうたの暮らしインヂ…
2024年5月11日、サントリーホールにてカーチュン・ウォンさん指揮、日フィルのマーラー交響曲第9番を鑑賞してきました。今回はその感想を記事にまとめたいと思います。 以…
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