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【韓国旅⑤】2日目 梵魚寺・金井山登山

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ホテルの朝食

6時に起床し着替えを済ませて、朝6時半からの朝食バイキングに向かう。朝食は東横インだとデフォルトでついてくる。地元食材の使用を売りにしていて、それは海外も例外なく、なんとなく現地の人の食事っぽいものが出た。私たちは昨日の夜にそれなりに食べていたから、ほぼ味のしないようなおかゆを食べて、その優しさが沁みた。

韓国では食事をするときに器を持ち上げるということはしないらしい。周囲から日本語は聞こえてこず、ほぼほぼ現地の人のようだったが、ちらちら食器を持ち上げている人もいたから、このマナーは日本の渡し箸(茶碗に箸をのせて置く)と同じような立ち位置のものなのだろうか。韓国の人の特徴なのかわからないが、何かちょっとでも違うことをすると指摘される。横断歩道は私たちしか歩いていなかったとしても、誘導員に右側通行をすることを要求される。だから私は食事のマナーに少しびくびくしていた。

そうやって周りにアンテナを貼っていたのだが、おかげで面白いことに気づいた。韓国人の男性が、塩が混ぜられたフレーク上の海苔(大きめのふりかけみたいな)を山盛りよそって、スプーンで食べていたことである。彼にとってはあれはシリアルやサラダみたいなものなのかもしれない。私は邪道かわからないが、おかゆに入れて食べることを気に入った。

梵魚寺 金井山へ

さて、この日は登山である。釜山駅から地下鉄に乗って、梵魚寺駅へ。そのあと登山口となる梵魚寺まではバスに乗る。ルートは大体6時間弱。天気は晴れ、気温は30度。いざ。

梵魚寺駅まではスムーズに進んだ。気温の高さで熱中症が少し心配になったが、お茶を2リットル持っていたし、ホットヨガ経験あるし、暑いのは苦手ではないから大丈夫だろうと踏んだ。モコも体力爆弾だし。

駅から梵魚寺までは3km。歩いてもいいけれど、なんとなくバスの方がいいかなということで、バスに乗ろうとするも、全然バス停が見つからない。横断歩道のおじさんに英語でバス停を聞いて、教えてもらった方に行ったんだけど、わからない。なんとなくここら辺かな、というところに街路樹で半分隠されているようなバス停が見つかった。しかしこのバス停に留まるのが梵魚寺行きなのかよくわからない。

モコに近くにいたおばあさまに声をかけてもらった。ここは全てモコ頼み。英語が通じなかったら私はお手上げである。おばあさんは近くのおばあさん仲間と相談して、また道ゆく親子にも声をかけて、そしてバスが来たときには手をあげて一緒に運転手にアピールしてくれた。心底日本のお土産を持っておけばよかったと思った。次は飴とか用意しておきたい。

バスは先払い制だった。運転手の近くのドアから乗り込み、端末にWOWpassをタッチして乗り込む。ここでちょっと残高が気になったが、無事に乗れたので良い。降りるときは乗客の様子を見て、後ろのドアからのようだった。降りても何も言われなかったから、たぶんあってる。

梵魚寺駅からバス

さあ、梵魚寺についたところでモコが元気なうちに写真撮ろうと言い出した。私は風景や友人の写真を撮ることが好きだけれど、彼女は食べ物と自分達の写真をよく撮る。モコのおかげで私は私の写真が増えて、ちょっぴり照れ臭いけれど嬉しかったりする。

身支度をして写真を撮ったら、いざ出発。快晴の中、サングラスをかけて。これはかっこつけているわけではなく、あまり強い日差しの中にいるとまぶしさで目が疲れて頭痛がしてしまうのだ。ちなみにモコも私も丸顔で、サングラスが似合わない。

当初私は梵魚寺を最終地点にしようと思っていた。ここが一番ゴール感があるからだ。しかし夕方にチマチョゴリを着ようとなると、朝早くにスタートしなければならず、梵魚寺をゴールにしたルートでははじめにケーブルカーに乗る必要があり、そのケーブルカーの営業時間が遅かったため、やむをえず初めから盛り上がる場所からスタートすることにした。時間に余裕があったら、金剛公園→ケーブルカー→南門→東門→北門→姑堂峰→梵魚寺というルートをおすすめしたい。今回はこの逆順で向かう。

梵魚寺到着

石畳の階段を登ると日光東照宮の権現造りを思い出させるような華やかな門があった。「梵魚寺」と書かれたその門を潜ると広間に出て、そこを囲うように社が並んでいた。白い甚平、下は濃いグレー(染め物のような色)のニッカポッカを履いた参拝者が、それぞれの社の前で足を止め、両手を合わせお辞儀をしていた。行程的にあまりのんびりはできなかったが、なんとなく厳かな気持ちになり、旅路の安全を祈った。広間中央奥に配置された一番大きな社を覗くと、仏像と伽藍の絵が掛かっていて、その前で参拝者が正座をして祈祷していた。仏様のお顔は異国感がなく、親近感を覚えた。

そこから左に曲がり、土塀に沿って歩いていく。土塀の天端には瓦が乗せられ、そこに会社や個人名が彫られていた。出資者だろう。門を潜っていよいよ登山口に着く。

門の近くに地図があり、よくよく確認する。登山は頂上やスタート地点など、いろんな道が交差する場所で迷いやすい。ここは確実にしておきたい。参拝者の人たちがちらほら山から降りてくる。おばあさんに「コダンポン(姑堂峰)?」と聞いて、道を確認する。きっとこの人は毎日ここを歩いているのだろう。川に沿って、ごろごろとした岩の道を登っていく。綺麗な空気に、木々から漏れる木漏れ日。風も心地よく吹いてきて、軽快に登っていく。

途中で携帯色のナッツとチョコのバーを食べる。日本のものと似た味がして、少し安心する。海外に行ったとしても、衣食住はあまり変えたくない。異文化体験をするバイタリティはこういう生活の基本に安心していないと、私には厳しいかもしれない。モコはたぶんどこでも平気だろうけど。

すれ違ったヨガパンツに半袖お姉さんにも道を聞き、謎の握手を交わしたりしながら、まずは北門を目指す。ルートはY字のようになっていて、梵魚寺から北門を目指し、そこから姑堂峰を目指し、もう一度北門に戻ってから城壁に沿って南下していく。この梵魚寺からのルートは金井山城という山城の長い長い城壁に沿って歩くルートである。万里の長城韓国版と言ったところだろうか。

北門でトイレを済ませ、いざ今回のピークである姑堂峰へ。しかしこのとき私はサングラスをなくしていたことに気づく。ああ、山を汚してしまった。山登りを趣味にしている中で、ゴミは一切出さないということを心がけていたから、ここに来て、異国の山でゴミを出してしまったということに、結構落ち込む。仕方がないので途中ゴミを拾って帰ることにする。

姑堂峰にいく手前に水が出ているところがあった。ここの水は飲めるのか、神社の手水舎みたいなものなのかよくわからず、桶がおいてあったのでとりあえず手を洗う(後にそこで頭洗ったり水をがぶ飲みする若者に出会し、なんだぁ、という気持ちになる)。

ピークまでは階段があったり、ルートは大変わかりやすかった。ここに来て急に角度がきつくなるので、地味にくる。平日であまり人とすれ違うことはなく、頂上でも写真がとりやすいくらい空いていた。岩の頂点に立つのは、いつも少しワクワクする。

釜山の風景が一望できる良い場所だったが、やはり暑くてあまりのんびりとはしなかった。街並みはどこか日本と違うけれど、山は日本と同じだった。他の国でもこういうことできたら楽しいな、と思った。

さて、ピークから降りて北門に戻り、そこから東門に向かう。スタートが9時前で、梵魚寺から姑堂峰まで1時間半弱、北門まで戻ってきて20分。この時点でまだ11時前なので、お昼は東門あたりで食べることにした。

途中まで現地の韓国人男子高校生の後ろを歩いた。彼らは半袖短パンで、スピーカーから音楽を流していた。途中から藤井風のひらりが日本語で流れてきてびっくりした。モコによると最近(2023年6月)J-popが韓国で流行っていて、米津玄師などをK-popアイドルがカバーしていることも多いらしい。このときはジョングクだ、と言っていたような、気がする。私にはあまりわからないけれど、外国で聞く母国の曲ってこんなに嬉しくなるものなんだと実感した。日本でアメリカ人と喋っていたときに、お店のBGMでアメリカの曲が流れたら、彼は会話を中断して曲について指摘し、「びっくりした!」とすごく嬉しそうにしていたのを思い出した。

東門にいくまでに金井山城の後を見て、道なりに歩いていく。ここから少しずつ道がわかりづらくなって、YAMAPとネットからダウンロードした地図を見比べ、コンパスで確認しつつ進んでいった。言ってみれば里山のようなわかりづらさで、結局同じところにつくのに、一度3つに分岐する、みたいなところが多くあった。

この頃になると、私も地元の人に声をかけて道を尋ねられるようになった。とっても簡単である。

「アニョハセヨー。トンムン(東門)?」と言って指を差す。そうすると何かしら言ってくれるので、ニュアンスで進んでいく。紙の地図を持っていると確認して、教えてもらえる。

それぞれ目標になる場所の韓国語の読み方と、紙の地図があるとなんとかなるので、もし金井山にのぼろうという人があれば、ぜひおすすめする。

そうやって東門を目指していたのだが、意外とここの距離が長い。12時を過ぎてもなかなかつかないので、昼休憩を木陰でする。木々の生い茂っているところはちょっと虫がいたので、ひらけた場所にある木陰でレジャーシートを広げた。

ここでルートを確認しつつ、キンパを食べる。このキンパは韓国のコンビニで買ったやつで、正直そんなに美味しいとは思わなかった。コンビニのものは賞味期限の記載がない商品が多く、ちょっと不信になりつつ食べていたこともあると思う。モコは「おいしーからーい」と言いながら食べていて、この子のタフさはすごいなと改めて思った。でも私よりも胃が弱い子なので、気をつけてほしい。

食べると元気になる。山歩きの時は特にそうである。食べると力が出ることの体感しやすさは、他に類をみないと思う。私たちは歌いながら歩き出した。途中3股の道とでくわしてもなんとなくわかるようになっていた。

無事に東門に着く。この門は千と千尋を思わせるような感じで、少しワクワクした。門って不思議だよな。意味もなく、門を潜ったり、戻ったりした。


東門からはバスが出ており、人の営みが感じられるものも増えていく。道路の上に渡された橋を渡り、南門へとラストスパート。

ここから一気に木々が生い茂り、ぬかるみもあるようになった。虫もいたり、ここで一番早く抜けたい道となった。ハッカオイルを水で希釈したスプレーをモコと私にかけ、せっせと歩く。ハイカーズハイに近かったのか、そそくさ軽快に歩いていく。

そしていよいよ南門に着いた。無事到着。私はほぼ2リットルを飲み干した。モコは私よりも少なかったが、トイレに行きたくならなかったのにびっくりしていた。夏山あるあるである。せーので2人して南門を潜った。

無事に歩き切って、気も抜きたいところだが、ここからケーブルカー乗り場までまたしばらく歩く。そして、ここで迷った。そういうものだよな、と思う。

ケーブルカーという看板はハングルでしか書かれておらず、私には読めなくて、モコに頼みになった。そしてその看板が指し示す方向にいくと、なんか違う感じがしたのだ。モコと意味もなく走って進んだ道を、「本当に意味なかったね」と言いつつ引き返し、テントが張れるスペースで休憩していた男性にルートを聞いた。

話を聞くにテントスペースの合間には細道があって、そこから向かうらしい。その道は看板もなく、これは迷うところだと思った。人に聞く気恥ずかしさを持つと、これは迷うわ。

細道を進むと、途中飲食店があった。開放的な店構えで、櫓の下にテーブルが並べてあった。客は一組で、おそらく店員を交えてトランプをしているところに出会した。たしか、なんとか村というところでヤギ肉を食べれる店があるという情報があったのを思い出した。ここかはわからないが、地元のコミュニティ感があって、少しはいるのには勇気がいる場所だろうなと思った。

そのままケーブルカー乗り場に進む。運賃を支払い、ケーブルカーに乗り込む。私たちを合わせて二組しかおらず、先頭を陣取ることができた。運行時刻表が見当たらず、10分くらい待っていると、スタッフのばっちりメイクお姉様がケーブルカーに乗り込みドアを閉めた。そこから意外とスピード感を持って山を降っていく。ケーブルカーに冷房はなく網戸から程よい風が入り込んでくる。そこから見た街並みは、山の上からみたぼんやりとした景色よりも隅々まではっきりみれた。全く同じデザインの建物が密集していて、「あれ私たちが通ってた大学みたいだ」と話していたのも、ただのビル群だった。工事中のビルも、どれも同じペースで移行して建てられていたので、遠目からみた防音シートをビルの模様だと勘違いするほどだった。シンガポール等では風水的にビルの並びもデザインするという話を聞いたのだが、韓国でもそういうことがあるのかもしれない。

14時半。下界についてほっと一安心。高低差921m、12.2km、4時間42分のルートだった。

ではここでゆっくり、と行きたいところだが、チマチョゴリを着に甘川文化村というところを目指す必要があり、。温泉駅まで歩いて、バタバタと釜山に戻り、ホテルでシャワーを浴びて支度をした。

チマチョゴリ・・・

そこからバスに乗り込みいざ、というところで問題が起きる。乗るバスの番号はあっていたが、方向が逆だったのだ。そしてそのバスに乗ったところでモコのWOWpassにチャージしていた金額がなくなったことも判明する。バスを降りて、チャージするまでに地下鉄に行って・・・もう予約時間には間に合わないことがわかった。

地下鉄駅入り口近くのベンチで並んで腰を下ろす。モコはちょっとかわいそうだなって思ったけど、私はまあいっかという気持ちになっていた。電話をしてみるも、なかなか連絡がつかない。この時電話を入れるのを躊躇しないモコが私は好き。メールだけ入れて、夕ご飯を買いに行くことにした。

冷麺とロッテモール

夕飯は韓国冷麺にした。私が勘で選んだ店で、こういう時の勘は良かったりする。店内は天井が広く、華美な装飾もない、すっきりしたお店で、きっとチェーン店なんだろうと思う。地元の人が数人早めの夕飯を食べていた。

注文したらまずはお通しにキムチとお節料理に入ってそうな葉物のおひたしが出てきた。箸がなくて店員さんに聞いたら、机の引き出しから各自引き出すスタイルだった。これはモコの韓国ドラマでよく見るものらしい。この大根角切りのキムチが、この韓国旅行で食べた一番美味しいキムチだった。

モコはハサミとトングで肉を切りつつ冷麺を食べた。私はオーソドックスなものを選んだ。ほどよいお味で落ち着いて食べることができた。冒険心は足りないと思う。ここで食べた大根角切りのキムチがめちゃくちゃ美味しかった。

そのあと、昨晩に引き続きもう一度ロッテモールへ行き、みんなへのお土産を買った。

地下の食材コーナーの前に、パン屋さんでトッポギの串を発見し購入する。その後文具コーナーを探索。なぜか異様にサンリオキャラクターが並んでいる。ノートもペンも筆箱もサンリオばかり。サンリオにしろロッテにしろ、日本ではそこまで目立っていないものが、韓国の方が目立っているのは面白い。日本人ウケと韓国人ウケというものは違うんだろう。

私が併設されたトイザらスでパチモンプリキュアみたいなおもちゃを観察している間に、モコはサランヘヨと書かれた封筒とシールを買っていた。どこで使うのだろうか。

地下に降りて本格的にお土産を選び出す。モコはぽんぽん選んでいく。自分が良いと思ったものを次々とカゴに入れていく。ミニマリスト思考の私はいちいち「これは美味しいだろうか」「これをあの人は気にいるだろうか」と吟味していくので一向に進まない。モコのフッ軽さがここにも現れる。

私は飛行機で飲んだオレンジジュースと、あまり美味しくなさそうだけれど母が好きそうなごちゃごちゃ色々入ったクッキーと、モコ曰く有名らしいヤクルトのグミと、ごうたの好きな焼きお菓子と、職場用に大量に入った、アーモンドにハニーバターがかかったお菓子を買った。

ここで一通りお土産を買い終え、帰路につき、ホテルでマッコリを飲みながらトッポギを食べた。このトッポギが、焼き味噌おにぎりのあの味噌に辛味を足したような甘辛で、本当に美味しかった。今回の旅の一番おいしかったものは、こちらの名前の知らないパン屋さんの、串刺しトッポギになります。

お風呂に入り、足を必死になってもんだ後、すぐに寝た。

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