お気に入り度◎◎◎◎◎
おすすめ度◎◎◎◎
良い点
・極めて美しく希少なコンビ(バイカラー)の外装
・10気圧防水の強靭かつエレガントなケース
・直感的に読み取りやすい12時位置の積算計
・頑強な自社製フライバッククロノグラフCal.89631
悪い点
・ポリッシュが多く傷が目立ちやすい
・着用する人を選ぶサイズ感と重量
・ペラトン式自動巻ではない
ジェラルド・ジェンタはIWCのために複数の時計をデザインしました。インヂュニアSLが有名ですが、他にもベータクォーツ搭載の初代ダヴィンチ、さらにはCLUB watches と呼ばれる、防水ケースのスポーツモデル4種(ヨットクラブ、ヨットクラブⅡ、ゴルフクラブおよびポロクラブ)があります。他にも存在する可能性は否定できませんが、明確に言及されているのは上記6モデルです。
ヨットクラブは最も著名です。美しい流線型かつ、耐震装置付きの強固なケースはまさにヨットマンのためのツールウォッチであり、今日でも普段使いに耐えうるIWCのアンティークウォッチ、通称オールドインターの筆頭として流通しています。
そうした伝統的なマリンスポーツウォッチと、マリンクロノメーターに由来を持つポルトギーゼが合体するという、まさに夢のような組み合わせがIWCポルトギーゼヨットクラブです。2010年の登場以降、ポルトギーゼのスポーツモデルとしてその地位を確立したと言っても過言ではないでしょう。ポルトギーゼにスクリューバックの堅牢な防水ケースと夜光付きの文字盤針を与え、過酷なヨットレースでも使用可能とした意欲作です。

ポルトギーゼの誕生については過去記事もご覧ください

2020年のRef.3907では、ついにブレスレットモデルが登場しました。スポーツよりのデザインでレース計器のようだった前作の文字盤レイアウトがシンプルとなり、デイリーユースにも相応しいラグジュアリースポーツウォッチとして生まれ変わったのです。

その中でも、Ref.390703は18Kイエローゴールドをベゼルとブレスレットのセンターリンクに配し、極めて豪華な外装となっています。高貴な意匠は神々しささえ纏っており、ポルトガルやスペインの大航海者やコンキスタドール達が追い求めた金銀財宝のような佇まいと言えましょう。


全体の意匠はこれまでのポルトギーゼヨットクラブと変わりありません。ポルトギーゼにシュノーケリングも可能な防水ケースと意欲的かつコンパクトにまとめられたフライバッククロノグラフ、さらには夜光を与えた本作は、まさに万能選手と言っても過言ではありません。

ポルトギーゼは、ケースのラグがポリッシュで目立ちます。本作もかなりキラキラしており目立ちます。以前、公演中の暗いサントリーホールの中で、数列先に座った紳士が着用した本作が、ひと目で識別できるくらいでした。

18Kイエローゴールドをセンターリンクに配したコンビ(バイカラー)のブレスレットはラグジュアリー感溢れる見事な出来で、バックルにはIWCお馴染みの微調整機構がつきます。IWCマークを押すとブレスレットの微調整ができます。


最近のインヂュニア同様、ケースに近いアタッチメントリンクからはIWCメタルブレスレットシステムが除かれています。このため、腐食等による固着で替えのきかないアタッチメントリンクが壊れてしまうリスクが軽減されました。しかしながら、日常的な汗の拭き取り、定期的な超音波洗浄といった手入れは必須でしょう。
この辺りは過去記事もご覧ください。

2020年のローンチ時は6気圧防水表記でしたが、2024年ごろにマイナーチェンジし、全て10気圧防水表記となりました。ケースやパッキンの部品は変わっていないので、元々控えめに記載していた(IWCの常ですが)6気圧防水表記をより現実ベースに見直したと考えるのが自然でしょう。いずれの表記にせよ、堅固な10気圧防水ケースのため酷使に耐えうるでしょう。

打倒デイトナ、とまではいきませんが、素晴らしい外装にIWC自社製フライバッククロノグラフCal.89631を搭載した意欲作です。本作に限らず、過去のRef.3902、3905も含めたポルトギーゼヨットクラブ達が大好きです。ぜひ、ひとりでも多くの方に触って頂きたいと考えます。


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