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IWC インヂュニア デュアルタイム Ref.3244をたたえる

IWC インヂュニア デュアルタイム Ref.3244

お気に入り度◎◎◎◎◎
おすすめ度◎◎◎

良い点
・潜水も可能な12気圧防水
・インヂュニアSL Ref.1832ジャンボの系譜に正当に連なる21世紀のインヂュニア
・ケース、ブレス共に極めてレベルの高い外装
・より薄く、腕にフィットするケース
・ダイヤカットされた精緻なインデックス
・目立たず品の良いGMTウォッチ
・微調整機能を備えたバックル
・ETAベースのためメンテナンスが容易

悪い点
・耐磁ではない
・ペラトン式自動巻きではない
・日付の早送りができない
・大きくて重い
・ブレスレットを手入れしないと腐食し固着、脱落の危険性あり(IWCのブレスレット全てに共通のリスク)

ルクルトムーブを載せたRef.3521が廃盤になった後、数年間インヂュニアはラインナップから消えました。2005年、IWCはジェンタを呼び、再びインヂュニアに手を加えてもらおうとしました。しかし晩年のジェンタは作風が大きく変化しており、契約は成立しなかったようです。結局オリジナルのジェンタインヂュニアRef.1832のデザインを踏襲しつつ、グイ・ボベによる、スポーティなデザインのインヂュニアオートマティックRef.3227(2005年)が登場します。僅か4年でRef.3227が廃盤となり、その後2013年にクリスチャン・クヌープによるアップデートが加えられたのが本作のベースとなるRef.3239です。

Ref.3244はRef.3239を大型化し、GMT機能のあるcal.35720 (ETA2893-2ベース)を載せたものです。文字盤のダイヤカットされたインデックスが復活し、手の込んだ作りになっています。24時間表記については、黒文字盤が黒とグレー、白文字盤がグレーとダークブルーで構成されており、控えめなGMT針と合わせてかなり目立たず大人しい印象です。

外見はかなりRef.3236ミッションアースに似ています。残念ながら、耐磁インナーケースを持っていません。またETAベースのためローターのしゃりしゃりした回転音がやや気になります。また日付の早送りが無いため短針の早回しで日付を変更する必要があり、やや手間がかかります。

ブレスレットの仕上げは素晴らしいもので、クラスプには微調整機構が付いています。IWCマークを押す事で、ブレスレットが数mm調整できます。このバックルの部分にはペルラージュ加工がされており、手が混んでいます。また、ラバーやアリゲーターなどストラップを交換して楽しむことができます(ブレスレット及びストラップはクロノグラフレーサーRef.3785と共通です)。

耐磁が無く汎用ムーブメントを採用、また200g超の重さに43mmのケースというスペックで好みが分かれると思われますが、GMT機能を備え手の込んだ外装を持つ唯一無二のインヂュニアです。

IWCはGMTモデルが少ないので、他と違った時計が欲しい方、インヂュニアのGMTモデルが欲しい方に好適でしょう。私はチタンケースのRef.3264 デュアルタイムチタニウムがお気に入りなので、改めてご紹介します。

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