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IWC インヂュニア Ref.3227をたたえる

IWC インヂュニア Ref.3227

お気に入り度◎◎◎◎◎◎
おすすめ度◎◎◎◎◎◎

良い点
・潜水も可能な12気圧防水、ゴルフやハンマーの打撃にも耐える強靭な衝撃吸収装置付ペラトン式自動巻きcal.80110、80,000A/m以上の耐磁性
・インヂュニアSL Ref.1832ジャンボの系譜に正当に連なる21世紀のインヂュニア
・精緻な軟鉄製文字盤
・ケース、ブレス共に極めてレベルの高い外装

悪い点
・重量があるため好みが分かれる
・知らない間にリューズがゆるむことがある
・夜光が物足りない
・ラバーベルトがなく、ブレスレットの他にはファブリックストラップしか選べない
・ブレスレットを手入れしないと腐食し固着、脱落の危険性あり(IWCのブレスレット全てに共通のリスク)

Ref.3227はインヂュニアSLジャンボ(Ref.1832)に一番近い外見を持ち、ペラトン式自動巻自社ムーブと軟鉄製インナーケースを備え、外観のみならずスペックも正当に継承しています。私の最もお気に入りのひとつであり、本Refと、スペックそのままで大型化+リューズガードを追加したRef.3236ミッションアースは「これさえあれば他には何もいらない」と思える数少ない時計です。スポーツ色が強くケースが46mmに肥大し派手なインデックスをもつミッションアースと比べて、42.5mmのケースでいちばんクールにまとまっています。

ルクルトムーブを載せたRef.3521が廃盤になった後、数年間インヂュニアはラインナップから消えました。2005年にこのモデルが発売された際、IWCはジェンタを呼び、再びインヂュニアに手を加えてもらおうとしました。しかし晩年のジェンタは作風が大きく変化しており、契約は成立しなかったようです。結局オリジナルのジェンタインヂュニアRef.1832のデザインを踏襲しつつ、グイ・ボベによる、スポーティなデザインとなりました。

バキバキのケースおよびブレスの加工は見事なもので、恐ろしく手の込んだ外装は20年近く経った今でも全く見劣りしません。軟鉄製文字盤にも凝った加工がされています。なお、日本限定200本の野口健モデルRef.322712 (ブラウン文字盤とオレンジ秒針)と日本限定200本(実際の生産は100本!)のRef.322711 (サーモンピンク文字盤)もありいずれも超希少ですが、文字盤の色と裏蓋の刻印以外は通常モデルと変わりません。

Ref.322702、03はチタンケースを持ち、メルセデスAMGとのコラボモデルになります。軟鉄製文字盤がラッカー仕上げになりやや簡素な印象を受けますが、夜光付きのインデックスが増え赤い秒針と合わせてスポーティな印象です。何より、チタン製のケースおよびブレスレットは極めて軽量でありかつ腐食にも強く、iwcのブレスレットについてまわる「掃除を怠ったことによる腐食と固着のリスク」を大きく低下させることができます(チタン製ブレスであっても、iwcブレスシステムの部品はSS製のためリスクをゼロにはできません。詳細は別途記事にする予定です)。

ペラトン式自動巻ムーブメントcal.80110を搭載しており、耐久性、耐衝撃性も抜群です。耐磁80000A/m、120m防水(iwcの基準では潜水も可能)のため、死角なしです。「時間の金庫」という宣伝文句でしたが、大いに納得です。

(なお非公式ではありますが、ゴルフに着用できるほどの耐衝撃性を持ち、耐磁も80000A/m以上と言われています。)

本当に強靭な時計で、Ref.3236ミッションアース と並び国内外の探検で信頼できる相棒として重宝しました。インヂュニアが欲しい方は、このどちらかを選んでいただければ間違いありません。

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