1955年に登場したIWCのインヂュニアは、時計製造における飛躍的な挑戦そのものです。

「INGENIEUR」は取締役エルンスト・グリスハーバーJr.と技術部長アルベルト・ペラトンによる命名です。名前はターゲットユーザーであるエンジニアに由来しますが、IWCのエンジニア=時計技術者をたたえる意味もありました。
ちなみに、日本語表記が「インヂュニア」に統一されるのは、コサリーベルマンが代理店となってからのようです。それ以前の代理店(シュリロ貿易)、販売店(磯村時計商会)では「インヂュニア」と「インジュニア」が混在しています。リシュモンジャパンは両方で商標登録をしています。

マーク11の耐磁ノウハウを生かし、IWC初の自動巻ウォッチとして1955年に生まれた第1世代のRef.666は、堅牢な2重のケースに包まれたペラトン式自動巻と、控えめなデザインが特徴です。耐磁、防水、耐衝撃性に優れた頑強かつ美しい時計として、世界中の時計愛好家、探検家、技術者、研究者、医師、航海士、パイロット、スポーツマン、ビジネスマンに愛用されました。


1967年には直線的でモダンな第2世代のRef.866にアップデート、1976年にはジェラルド・ジェンタによる(社内デザイナーであるハノ・ブッチャーとの共作という説もあります)第3世代のRef.1832が生まれます。
今回は、MasterpieceであるRef.666の復刻版としてオールドインターの雰囲気を気軽に楽しめる秀作Ref.3233を紹介します。
お気に入り度 ◎◎◎◎◎
おすすめ度 ◎◎◎◎
良い点
・伝説のRef.666が現代に復活
・潜水も可能な12気圧防水のケース
・頑強なペラトン式自動巻Cal.80111
・往年のIWCを想起させる、精緻を極めた文字盤
悪い点
・軟鉄製耐磁インナーケースが無い
・ケースが大きくなった(37.5mm→42.5mm)
・流行のジェンタデザインでは無いため、IWCマニア向け
2008年の創業140年を記念して、IWCはヴィンテージコレクションを発表しました。インヂュニア、アクアタイマー、ポルトギーゼ、ポートフィノ、パイロットウォッチおよびダヴィンチの第1世代を最新技術で再現した意欲作でした。

今回紹介するのは、通常モデルと、2011年のローレウスエディション(1000本限定)です。その他、貴金属ケースの白文字盤、ブティック限定のブラウン文字盤、イタリア限定のアイボリー文字盤も存在します。
通常モデルは、適度な艶感を纏った黒い文字盤と、色を揃えた日付表示により落ち着いた印象です。ローレウスエディションは、サンバースト仕上げの青い文字盤であり、秒針の先端が赤く塗られています。

磨き上げられたパール・ドロップのミニッツインデックス、日付窓の加工、ドーフィン型の針いずれの加工も極めて精緻であり、歴史的タイムピースを現代に復刻せんとするIWCの矜持を感じさせます。

夜光もしっかりと光るため、暗闇での視認性もバッチリです(写真右がヴィンテージインヂュニア。左はヴィンテージアクアタイマー)。

シリンダー型のケースに足がついた造形はRef.666と同じですが、Ref.3233はラグやケース側面がヘアライン仕上げとなっています。

通常モデルはスケルトンバックでCal.80111を楽しむことができます(Edition2008と1955の文字は、初期ロットにのみ入っているようです)。

ローレウスエディションは、子供の絵が刻まれたソリッドバックです。機械が見えないことから、汎用ムーブメントを用いたコピー品(改造品?)が出回っています。IWCでのメンテナンス履歴が明らかな物を選ぶのが安全でしょう。
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Ref.3233はレザーストラップがデフォルトとなっています。これは大変シックで良いのですが、夏場は純正のミラネーゼ・メッシュ・ブレスレットに交換しています。ヴィンテージ然とした佇まいが時計をさらに引き立てます。

Ref.3233は、耐磁インナーケースを持ちませんが、潜水も可能な12気圧防水、頑強な自社製ペラトン式自動巻Cal.80111により酷使に耐えます。オールドインターの雰囲気を気軽に味わえるため、ぜひ多くの方に手に取って頂きたいと思います。

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