ジューンブライド。親友の結婚式がありました。
私はここで友人代表挨拶というものをしました。初めての経験です。
親友から挨拶をお願いしたいと言われた時は、うれしくてうれしくて、即引き受けました。
が、何事もそうですがすると聞くとではやっぱり違いますね。
挨拶が決まってから徐々に緊張を感じてきました。習い事先のお姉さんたちに友人代表になったことを話したら「料理がおいしく食べれないから、私断ったことある」なんてことも。今思い返してみると、確かに味を覚えているかと聞かれれば自信がない・・・笑
ただ振り返ってみても、心底やってよかったなと思います。
確かに緊張したし、興奮して寝つきが悪くなったりもしたし、練習や原稿づくりに時間をかけたりしました。でも友人の人生の大事な時間に少しでも彩りが加わったのだとしたら、それはすごく幸せなことで、誇らしい気持ちになります。
私の原稿の作り方
私は直前になって考えると頭がこんがらがって投げ出したくなる性格なので、1ヶ月前までになんとなく形にしておきました。1ヶ月以上の猶予があると落ち着いていられるので、自分の中では比較的良い文章になります。
草稿時、まずしたのは内容の過剰書きです。
・挨拶
・手紙を用意しました
・Yちゃんとの思い出①
・Yちゃんとの思い出②
・私の気持ち
・旦那さんへひとこと
・締めの挨拶
全体像ができたら肉付けをします。3〜4分が目安の長さらしいので、それくらいを目指します。
その後不安だったので、家族や友人やごうたに読んでもらったりして修正を重ねました。周囲の意見を聞きすぎると集約するのが大変になりますが、自分の納得感のために4、5人に読んでもらいました。
内容を考える上で意識したポイント
新郎新婦で名前を呼ぶのではなく、新婦新郎で呼びたい
私が祝いたいのは新婦ちゃんです。とにかく新婦ちゃんを推したい。これくらいの順番変動は緊張して言い間違えたとも捉えてもらえるので、いちゃもんつけられたとしてもかわせます。これはちょっとした私の彼女への尊重の仕方です。
新婦が聞いてて楽しい話にしたい
新婦ちゃんは人前で泣くタイプじゃありません(式中も泣いていませんでした)。きっと形式的な挨拶を聞きたいわけでもなかったと思います。
だからいつも私が彼女にしている態度と変わらないように、変に格好つけない内容にしました。泣かせる言い回しや、時候の挨拶、定型分、親友だよ宣言等を可能な限り省きました。
王道の挨拶からはちょっと逸れるけれど、周囲の目線は置いといて、まず新婦ちゃんのことを大事にしました。
全文はこんな感じ
新婦さん、新郎さん、並びにご両家の皆様。本日はご結婚、誠におめでとうございます。
青空広がる素敵な日に(実際に晴れていた)、このような素敵な会場でお二人のお祝いの席に参加できたこと。またこうして皆さんの前でお話しできる機会を頂けたことを、大変光栄に思っております。
ご紹介に預かりました、私、〇〇と申します。
新婦さんは私にとって6年間学校生活を共にした同級生であり、部活の仲間であり、そして長い間仲良しな大事な友人です。
手紙を用意してきましたので、ここで読ませていただきたいと思います。
(手紙を封筒から出す)
新婦さん、新郎さん、本日は誠におめでとうございます。
新婦さん、なんて呼んだことありませんね。お互いにいずい(方言、しっくりこないの意)と思うので、いつものように新婦ちゃんと呼ばせてください。
はじめて新婦ちゃんと会ったのは中学1年生、1年2組の教室でした。新婦ちゃんは自席で本を読んでいました。偶然にも席が近かった私は話しかけるきっかけを探して、机の上の楽天(球団)のキーホルダーのついた筆箱を見て、「楽天が好きなの?」と声をかけました。その時のことを覚えていますか?
あなたは私を本の隙間からちらっと見て「うん」と言った後、すぐに読書に戻りましたね。びっくりです。10年以上の付き合いになるだなんて、思ってもみませんでした。
そんな人見知りだった新婦ちゃんですが、その後同じ部活に所属し、また登下校を共にするようになって、無事仲良しになれました。よかったです。
さて新婦ちゃんとの一番の思い出はというと、何回か一緒に旅行したこともあったけれど、やっぱり思い出されるのは長く過ごした登下校の時間です。
色んなことをしましたね。何かと止まりがちな〇〇線(電車)、その待ち時間にセブンイレブンでおでんを買い食いしたり、雪道で気づかなかった水たまりにはまって電車の中で必死に乾かしたり、高校生にもなって公園で靴飛ばしや色鬼をしたり、道端でどんぐりや落ち葉を拾ったり、よくわからん竹藪を探検したり。あなたは私のことを野生児だ、なんて言っていましたが、あなたも十分その素質があると思います。そのまま磨いていきましょう。
新婦ちゃんから結婚すると話を聞いた時は、結婚するとどうなるのかがわからなくて、ちょっぴり寂しい気持ちに、
なんてなりませんでした。なんかすごいなと思いました。
新婦ちゃんはいつも私より先を進み、私はその背中を追ってきたのでいつものパターンだと言いますか、とにかく幸せになってほしいという暖かい気持ちになりました。
なので私はよく分からないのですが、おそらく結婚したら変わること、変わったことがたくさんあるんじゃないかなと思います。でも私は、あなたとは変わらない関係で、今までと同じ気持ちで、付き合っていけたら良いのかなと思っています。
性格上あまりべたべたすることはないけれど実は、会うたびにああなんか新婦ちゃんが一番しっくりくるなあ、なんて思っています。気軽に喋れる友人として、これからもよろしくお願いします。
新郎さん、新婦ちゃんとは付き合いも長くいらっしゃるので、よくよくご存知とは思いますが、彼女はとても器用だけれど人見知りであったり、不器用なところもあります。たくさんお話しをして、ますます素敵な夫婦になってください。
お二人の幸せを、本当に、心から願っております。
以上で挨拶とさせていただきます。ありがとうございました。
周囲からの反応
私の出番の前に、新郎の友人代表挨拶があったのですが。その任命を受けた彼は挨拶中おいおい泣きだし、中断しつつなんとか話しきっていました。
いよいよ私の番になり、こんな感動シーンの後にやるプレッシャーで、友人たちに「笑ってね」と言ってから前に立ちました。そして練習通りに手紙の音読会をはじめ、前半はくすくすしてもらえましたが終盤になるにつれてやけに静かになってきて。笑えなかったかな・・・なんて不安になりつつ思いつつ席に戻ると、なんと友人たちが泣いておられました。
新婦ちゃんもその場では泣いていなかったのですが、式後にこの手紙をプレゼントし、翌朝「朝読み返して泣けた」と言われました。
えー。楽しかったね〜みたいな内容じゃなかった・・・?一体全体どこに泣く要素があったの?
でも、まあ思うに、情景を浮かべるような言い回しが彼女たちに刺さったのだと思います。
「向かいのホーム、路地裏の窓効果」とでも言ったものでしょうか。私は電車通学組だったのですが、バス通学組がこれに対抗して「セブンイレブンのおでんじゃなくて、うちらはファミマでいこう」なんて話で盛り上がっていました。
また面識のなかった方からも「小説みたいですごい良かった」と言っていただけて、想像がつきやすい描写を入れるとウケが良いのかもしれません。おすすめです。
それから「友人代表挨拶って泣くのがデフォルトだと思ったから、そういう内容じゃなくて新鮮だった」とも言われました。・・・そうなの?
友人代表挨拶をお願いするか迷っている人へ
私はご飯よりも何よりも、新婦をお祝いしたい気持ちが強かったです。友人としてあの場に立てたのは、本当に貴重な、ありがたい経験でした。
緊張のあまり具合が悪くなる、負担が大きすぎるという友人であればお願いしないのもありですが、私個人としては、友人として、親友としてぜひ声をかけてほしいなと思います。何も言ってくれないのはちょっと水臭い。
ストレートにお願いをするという形ではなくても、「友人代表挨拶を式に入れるかちょっと迷ってるんだけど、みんなには安心して参加してほしい気持ちもあって・・・」と相談してみてはいかがでしょうか。
友人代表挨拶を引き受けるか迷っている人へ
具合が悪くなるようであれば引き受けない方が良いと思います。
ただ結婚式は誰もが緊張をしています。新郎新婦も、ご両親でさえもとても緊張しており、声が震える、喋れなくなるというのはよくあることです。涙がとまらないなんてこともあります。それが愛らしく映る不思議な空間なので、あまり構えなくても大丈夫です。
大変かもしれないけれど、私はそれを含めて一生の思い出になりました。この経験は他には変えられません。そして新婦と、もっと仲良くなれた気がします。
緊張対策
緊張で徹夜してしまうくらい緊張しいの私の対策としては、早めに原稿を作って、なんとなく誦じられるくらいになることでした。1ヶ月前までに原稿を形にして、その後2〜3週間くらい気が向いた時にちまちま練習していたら、さすがに言葉が滑らかに出てくるようになりました。
私いける!と思った瞬間は、寝起きのぼーっとした頭で練習してするっと読めた時です。こういう練習しました話は照れくさいですね笑。
素敵な結婚式になることを祈ってます!!
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