私は建設会社の積算をしているのですが、朝礼がありまして、そこでは好きに10分弱話をします。
これはそこで話した内容です。
おはようございます。(2023年)2月16日木曜日、朝礼を始めます。
先週末、東京へ行ってタンホイザーというオペラの観劇に行ってきました。
新国立劇場という、新宿から一駅のところにあるホールで、ここは私の生まれた年に建てられた、比較的新しいホールです。客席は4階まであり1800人収容できます。〇〇ホールで1500人であることを考えると人数は少なめなのかなと感じますが、設計時に音響を優先したためということでした。今回4階席から斜めに見下ろすような席だったのですが、十分に楽しめました。オペラ通の知人が言うには、オーケストラの音は上に飛ぶから音響を楽しみたかったら上の席の方が良いとのことで、ステージの若干の見づらさはありましたが大満足でした。
ステージ裏にこの客席3つ分のスペースがあるそうで、舞台装置を複数収納しておくことができることから、今日はオペラA、明日はオペラBと、入れ替えて同時並行で上映が可能ということです。今回の舞台演出でもステージの高さからホール4階席くらいのレベルまでの巨大な棒が、奈落からもくもくと立ち上がってきたときは、その深さに驚きます。
建物自体はゆるやかにカーブした船体のような感じで、広い中庭は、面積ほとんど使って水が張ってあります。内装も、コンクリート打ちっぱなしの角にモルタルを使って鋭利に処理してあったり、大きなカーテンウォールだったり、お金をかけているなという印象です。歩くと豪華客船に乗ったらこんな感じなのかなと想像が膨らみました。
今回観劇した「タンホイザー」というのはワーグナーという作曲家が1845年あたりに作ったオペラです。ワーグナーは大変キャッチ―で印象に残りやすい曲が多く、よくテレビ番組とかで出てくるのですが「ワルキューレの騎行」が有名かなと思います。印象派というよりかは物語を音楽で描くタイプの作曲家で、今で言うと、ハリーポッターやスターウォーズ、ジュラシックパーク、ETなどの作曲者ジョン・ウィリアムズや、ゲーム音楽作曲家につながる系統といっても良いと思います。
ですので、曲を聞いているといったいどんな場面なのかがわかりやすい。今までオペラは2作品観劇したことがあったのですが、どうしても間延びをしてしまっているというか、見たことはないのですが能みたいな感じかと。セリフのテンポが曲調によってはとっても長いと、オペラ初心者の私としては眠りそうになってしまいます。
簡単に今回見たタンホイザーのあらすじを申しますと、「登場人物の誰にも共感できない」ということで結構有名な作品でして、タンホイザーという吟遊詩人がビーナスの甘い世界に囚われ、しかしなんとか抜け出すも一度知ってしまった甘さを忘れられず崩壊していく、という話です。
上映時間4時間半、休憩時間25分が2回あるのですが、観客はその休憩時間にホワイエあたりをシャンパンやら飲みながらうろつくのですが、「いや、ほんと、どうしようもない男だ」と叔母様たちが口々に話しており、まったく同感だと思って面白かったです。タンホイザーというキャラクターがすごく歌がうまくて、ビーナスにも、現実世界にいるお姫さまもその歌声で恋に落ちてしまったんです。歌至上主義世界も大変だな、と思いました。
物語も狂っていて面白いんですけれど、今回の見どころはやっぱり歌唱力です。迫力のある合唱団、同じセリフでも異なるイントネーション、普通に話していても強めに聞こえるドイツ語で「ローマ法王に救済してもらえなかった」ということを必死に、でも若干過剰に友人に訴える姿は、言っていることは、はちゃめちゃでも、その勢いに、あ、そうなのか、と思わされてしまうような迫力はもう脱帽です
長い劇でしたが飽きずに見ることができました。また、オーボエにももちろん耳を傾けていたのですが、吹奏楽は拡声器、遠くまで音を届ける、としたら、オーケストラは手の内に収められるもの、という印象を持ちました。fではなくpの練習を重ねたいです。練習の刺激にもなって良い日となりました。
たぶん建設の皆さんには良くわからなかったと思います。
でもいいの!
コメント