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IWC インヂュニア クロノグラフレーサー Ref.3785をたたえる

IWC インヂュニア クロノグラフレーサー Ref.3785

お気に入り度◎◎◎◎◎◎
おすすめ度◎◎◎◎◎◎

良い点
・潜水も可能な12気圧防水、ゴルフやハンマーの打撃にも耐える強靭な衝撃吸収装置付ペラトン式自動巻きcal.89361
・あまりの素晴らしさに言葉を失うほど見事な文字盤
・ケース、ブレス共に極めてレベルの高い外装
・ケースとプッシュボタンが一体化した秀逸なデザイン
・ブレスレット、ラバーストラップ、レザーストラップで付け替えを楽しめる

悪い点
・重量があるため好みが分かれる
・耐磁がない
・フライバック付きクロノグラフのオーバーホール料金があまりに高額(基本料金のみで2桁万円。部品代がプラス)
・ブレスレットを手入れしないと腐食し固着、脱落の危険性あり(IWCのブレスレット全てに共通のリスク)

2013年発表の本モデルは、歴代のインヂュニアのなかでも、抜群の高級感を備え、文字盤の加工には目を見張るばかりです。詳細はクロノスの広田さんが素晴らしい記事を書いておられますので、そちらをご参照ください。歴代インヂュニアの中でもグレー文字盤は希少かつ、よりソリッド感を感じさせ、2005年以降のインヂュニアで用いられる「時間の金庫」と言う文言そのものです。

2005年のインヂュニア復活に際してIWCはジェンタを呼び、再びインヂュニアに手を加えてもらおうとしました。しかし晩年のジェンタは作風が大きく変化しており(トゥルボなど)、契約は成立しませんでした。結局オリジナルのジェンタインヂュニアRef.1832のデザインを踏襲しつつ、よりスポーティ感を高めたデザインとなりました(2005年以降のインヂュニアはグイ・ボベとクリスチャン・クヌープがデザインを担当しています)。

自社製ペラトン式自動巻クロノグラフムーブメントcal.89361を搭載しております。ダヴィンチやポルトギーゼヨットクラブにも搭載された高級機で、分・時間の積算計が同軸上にあり、フライバック機能を備えております。頑強なムーブメントであり、ケースと一体化したプッシュボタン(これは90年代のインヂュニア・クロノアラームから引き継いだ秀逸なデザインです)の感触はかなり硬めです。

レーシングカーのエングレービングがあったり、バックルにベルラージュ加工がされていたりとかなり凝った造りになっています。また立体感ある文字盤の加工は見事なもので、この部分の造り込みはIWCの各モデルの中でも随一だと思います。ルーペで観察していたら、いつのまにか数十分も経っていた事もありました。やや派手で異質なデザインではありますが、本当に綺麗な時計です。

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