IWC インヂュニア オートマティック40 Ref.328904 が届きました。チタンケースのモデルになります。1ヶ月弱使用したので、気付いたことを書きます。
2023年のインヂュニアについて、全体を通したデザインの印象や気になる点を昨年書きました。ぜひご覧ください。
時計のデリバリーは2024年5月でした。ステンレスケースのモデルよりもブランクが長く、戸惑う声が多かったのも事実です。気長に待っていましたが、デリバリーまでの期間、IWC銀座ブティックのスタッフの対応は極めてポライトであり、最後まで丁寧にサポートがありました。
先日中古時計ショップに立ち寄ったところ、すでに流通しはじめて久しいステンレスケース黒文字盤のモデル(Ref.328901)が6〜7本も並んでおり、悲しい気持ちになりました。
とにかく売りたいメーカー、過去作を切り売りする団体、そのまま復活させる安易な企画(デザイナーは仕事をしていないのか?)、怪しげなインフルエンサーやにわかの転売目的など、様々な思惑が結集した結果、雨後の筍のように乱立するこのジャンルの時計の価値が損なわれた事は明らかでしょう。
今回、IWCは過去の名作を安易に模倣せず、きっちりリファインして持ってきました。なお、凡庸な機械と価格帯のバランスについて、同じ機械を載せたマーク20との比較から否定的な意見も聞かれます。
今回のインヂュニアは非常にコストを要する凝った外装を持ちます。この点で何とか他のモデルとのギャップをキャンセルできていると考えます。しかしながら、微妙なバランスのため、IWC愛好家向けと考えるのが良いでしょう。
昨年も書きましたが、愛好家としての総括は下記の通りです。これは今も変わっていません。
「Ref.1832からはエルゴノミカルな造形と全体の印象を受け継ぐものの、ケースとブレスレットの接続、リューズガード及びベゼルの穴といった細部は全く異なります。スペック低下、凡庸な機械、価格及び供給体制なども気になります。
しかしながら、相当なプレッシャーの中、よく練られた意欲作だと思います。伝統を受け継ぎつつも、模倣せずに独自のものとして昇華している…いかにもIWCらしく、愛好家として非常に高く評価します。」
次回に続く
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