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IWCウォッチのケースナンバーをたたえる(Ref.3233 ヴィンテージインヂュニアの贋作)

Ref.323310 ヴィンテージインヂュニアのローレウスモデルの贋作

IWCのWebサイトでは、ケースナンバーを入力してモデル名の検索ができます。簡易的な真贋鑑定として活用する人も多いでしょう。

目の前にあるのはパイロットウォッチのはずが、ケース番号を入力してダ・ヴィンチが表示されたら明らかにおかしいです。

しかしながら、万能ではありません。

実在するケースナンバーを利用した非正規品はスクリーニングができません。

恥ずかしながら、このサービスを過信するあまり過去に非正規品を引いてしまった事があります。

Ref.323310 ヴィンテージインヂュニアのローレウスモデルです。これは様々な理由から、贋作が流通しているようです。

ケース及び文字盤は精緻そのもので、ほぼ実物そのもの。ケースナンバーも実在する番号でした。

不審に感じたのは「音」です。ペラトン式自動巻きのカリカリとしたクリック音ではなく、汎用ムーブメントでよくあるしゃらしゃらとしたローター音がしたのです。すぐに裏蓋を開けたところ、出てきたのは本来あるべきCal.80111ではなく、無銘の機械でした。

また、ケースナンバーは裏蓋の表と裏で全く異なるものとなっており、裏側は刻印も粗雑でした。

繰り返しになりますが、IWCのWebサイトで提供されているサービスは、ケースナンバーの照会にすぎません。中のムーブメントがすり替えられている場合やニコイチもあります。それらをスクリーニングすることはできないのです。

基本的にIWCは出荷時のケースナンバーとムーブメントナンバーの組み合わせ(もちろん、両者が同じナンバーになることはありません)を記録しており、ニコイチなどはコンプリートサービスおよびアーカイブ発行を拒否される例が多いようです(コンプリートサービスでムーブメントやケースを交換した場合はその履歴も反映されるため、心配は不要です)。

また、IWCでの登録も全モデル反映されているわけではなく、誤った組み合わせで登録されている例もあるようですので、盲信は危険でしょう。

IWCの修理については、過去記事もご覧ください。

新作の発表以来、多くの媒体でインヂュニアの記事が出ていますが、残念ながらほぼ全てに誤った内容が見られます。Chronos以外は全滅ではないでしょうか? もう少し慎重にリサーチして欲しいものです。

また、時計シェアサービスがトラブルとなっているようですが、極めてfunnyな問題だと考えます。

時計愛好家としては、やはり実物に多く触れ、目を鍛えるしかありません。

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