神戸市在住の祖父母の希望で、9月末に有馬グランドホテルに宿泊しました。その中でも今回は、結楽(ゆら)という特別別館へ、祖父母と母と孫夫婦の3世代での宿泊です。
有馬温泉とは
有馬温泉は、神戸市北区の六甲山近辺に位置する古きよき温泉です。日本三古泉・三名泉に選ばれており、有馬温泉文化の歴史を辿ってみれば飛鳥時代にまで遡るのだとか。「太閤秀吉も好んでいた」など多くの逸話が残っていることからも、その効能は高く支持されています。
有馬温泉には金泉と銀泉があります。金泉は「含鉄ナトリウム塩化物強塩高温泉」とされ、鉄分豊富で、浴槽の深さがわからないくらいに濃い褐色が特徴的です。舐めてみると塩っぱく、傷口にはしみます。
濃厚な金泉に対して銀泉は、無色透明でさらっとした印象のある温泉です。二酸化炭素泉と微量のラドンを含んだ放射能泉になります。放射能というと怖く聞こえますが、いわゆるラジウム温泉で私たちの身近なものですのでご安心を。
この特徴的な二種類の温泉を、一つの場所で楽しむことができるのがうれしいです。また昔ながらの味わいある町歩きが楽しめますので、兵庫県屈指の観光地としても盛況を博しています。
有馬グランドホテルとは
そんな有馬温泉にはたくさんの宿泊施設が並びます。中でも「有馬グランドホテルはこの有馬温泉街でトップクラスのリゾートホテルだ」と言ったのは、私の祖父母と母。神戸っ子3人からのお墨付きです。
特に祖父は神戸を出たことがなく、中でも長年有馬グランドホテルを贔屓にしており、いつもトイレには毎年届く有馬グランドホテルのカレンダーが貼られていました。日本らしいおもてなしが大切にされており(最近は外資系の効率重視系が多くて、個人的にいまいちと感じるホテルが増えているように感じています)、毎度満足のいく宿泊を楽しませてもらっています。
有馬グランドホテルは温泉街・宿街の中心から一つ山際の高台にあります。有馬三山に囲まれており、空気がおいしく、また海が望める神戸らしい地形を、優れた眺望で楽しむこともできて、私としても他のホテルとは別格と思います。
別墅結楽(べっしょゆら)
予約も電話口で祖父の名前を伝えれば大変スムーズで驚きました。受付もカウンターではなく別室で行い、極めてVIPな対応に驚きの中、私たち孫夫婦も便乗です。今回は祖父母と母の3人で1室、孫夫婦2人で1室、計2室で予約をしました。
祖父の足の調子が良くないことから、お食事は全て全員揃ってお部屋で頂けて、さらに露天風呂のついていることを希望したところ、「別墅結楽」をお勧めされました。こちらは有馬温泉の中でも最高級な別館。壁紙やらドアやら、色々と本館よりもグレードが上の仕様となっています。
ちなみに別墅とは、別荘のことだそう。別館のような形になっており、カードキーを持っている宿泊客のみ入館可能となっています。
お部屋について
一泊1人あたり¥47,000くらいになります。今回は希望をお伝えして、お座敷ではなくベッドのタイプ。祖父母たちの3人部屋の方には、和室と寝室とリビングがあり(3部屋も!)、とても見晴らしの良いお部屋でした。
部屋付き露天風呂
お部屋についていたのは銀泉のかけ流し。特に朝の澄んだ空気の中、気持ちの良い新鮮な温泉で体を清めると、全てが浄化されるようで最高でした。(夫は「湯治する」といって、5回くらい入っていました。おかげであせもが軽減していた様子)
過ごし方
① お部屋のお菓子と飲み物をいただく
ひとしきりお部屋に感動して、ライトをつけたり消したりして、荷解きをした後、コーヒーメーカーで美味しいコーヒーをいただきました。茶托に載せられた有馬の名産品と思わしきお菓子もおいしく頂きました。梅干しにスイートポテトに・・・。
冷蔵庫には飲み物と、なんと巨峰が!すごい!
飲み物もお水だけでなく、生搾りオレンジジュース、炭酸、クラフトビール、地酒などたくさん入っておりどれも無料でいただけました。
② 着替える
温泉といえば浴衣!!というタイプの私ですが、お部屋においてあったのは作務衣。これではまるで大型銭湯施設と同じでは…。廊下に希望者用の浴衣が置いてあり、そちらから拝借しました。やっぱこれじゃなきゃね。
③ 大浴場へ
最上階に全棟共用の大浴場があります。
別墅結楽専用のエレベーターで向かえば、エレベーターで混むこともなく悠々と向かうことができます(VIP!)
大浴場は金泉銀泉の掛け流し。室内と露天風呂で分かれており、露天風呂には海の方を見ながら立って入れる金泉があったり、デザインや入浴の仕方の違いで楽しませる工夫が感じられます。また日の出と日の入りの時刻が示されているので、その時間に合わせれば、素敵な景色と一緒に浸かることができそうです(あいにくの曇りで今回はダメでした)。
温泉ってエネルギー的に強さがありませんか?金泉は私は疲れやすい感じがして、休憩しつつ銀泉と交互に入ったり、水風呂に入ったりしていました。
お風呂から上がって、脱衣所から広間に出れば小さなカウンターがあり、黒豆茶と甘いグリーンティー(インバウンド向け?)が頂けます。近くに設置されたお触れ書きのような看板には「連絡板」と名付けられていて、近くに置いてある付箋とペンを使って「先に部屋戻ります」など、男女間でアナログに連絡できるのも面白いところでした。
また全身マッサージチェアも3台併設してあり、無料でやり放題。衛生面を気にしない私のような人は、至れり尽くせり感が堪能できます。
④ 無料のラウンジへ
カードキーで別墅結楽に戻り(民度が高い)、部屋に向かう途中の無料ラウンジに寄りました。
このラウンジは結楽の利用客が使える場所で、クッキー、ナッツ、コーヒー、紅茶、ウイスキー、ビール、シャンパンなどを自由にいただけます。
スペースには座高の低めのソファとミニテーブルが7組くらいあって、本棚から本や新聞を読めたり、一息つくことのできる落ち着く場所となっていました。
ここのクッキーが美味しくてたくさん食べたことを、夕飯で後悔します。
⑤ 盛沢山なごはんがすごい
「量より質で」とお願いしてみたのですが、今は対応できないとのことで(以前はできたby祖母)、すごい量が…!!季節物として松茸やお造りが出てきたり、お肉もあって、湯豆腐に・・・もうおなかぱんぱんです。
しかし残してもいいよと言われていたはずの祖母が完食。健康の秘訣は食事を残さないことかしら?お魚が新鮮で美味しかったなぁ。
また朝ごはんも夜ご飯も中居さんが同じ方で、とても嬉しかったです。お世話になりました。
⑥ 夜のピアノ
夜にホテル1階のバーにてピアノコンサートをするとのことで行ってみました。昭和の歌謡曲の弾き語りを、ココアを片手に拝聴しました。
年代的に知っている曲は少なかったのですが、非日常の洒落た雰囲気が楽しかったです。また祖父が音楽を聴いて「体の足りないところが満たされていくようだ」と言っていたので、それ以上望むことはありません。祖父母にとって滅多にない生演奏を聴く機会があってよかったです。クラシックも連れて行ってあげたいものだわ。
周辺観光用のバスがすごい
有馬グランドホテル宿泊者限定で、無料送迎バスが使えます。
駅2つと温泉街、好きなところから乗れて好きなところで降りることができます。もはや使い放題のタクシーのようです。
だから「チェックアウトをしてから温泉街の街歩きをした後に、もう一度有馬グランドホテルに戻ってきて軽食をいただいて、駅まで送ってもらう」ということができました。いたれり尽せりです。
温泉街あるき
お菓子屋さん、お香やさん、お土産物やに、レストラン。観光地らしい店が沢山ありました。
私は近くに温泉にまつわる神社仏閣が点在しており、そちらのお参りが楽しかったです。温泉の沸いているところには大きな鉄塔が立ち、先がみえなくなるほどに湯気が広がっている光景もわくわくしましたね。
私にとっては温泉街も楽しかったですが、やっぱり温泉と宿泊が一番楽しかったです。また来ようね。
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