新国立劇場へ行くようになり5年近く経ちます。後半3年間は都内在住のため、ほぼ毎週通っていました。公演前後はヒルトンにあるインド料理の老舗アショカに行くのがルーティンです。
オペラ鑑賞のイロハはここの天井桟敷(バルコニー席)で教えてもらいました(東京文化会館にもお世話になりました)。5年間で大体の演目は観たと思います。
仕事で西日本に引っ越すため、4月19日のアイーダ第1幕が新国ラストでした。家を引き払った後観劇、第1幕が終わるやクロークからゼロハリを回収し新幹線に飛び乗りました。
短いお別れではありますが、次回のリゴレット・サロメの土日連続公演(5〜6月)やトリスタンなど、良い演目に対しては遠征する予定です。
さて
今回観たゼッフィレッリ演出のアイーダは、日本のオペラ上演史の頂点に君臨するプロダクションと言えましょう。4公演観ましたが、本当に見事なものです。5年おきにやりますので、次回2028年も楽しみです。
エジプトマニアからすると(新王国時代とプトレマイオス朝をごちゃ混ぜにしたような美術様式にやや戸惑いつつも)、よく考察された美術だと感じます。ただ、大ぶりな布製の被り物(ファラオの冠などの頭巾は一度も出土したことがなく、実際の素材や見た目は謎となってます)が気になりました。プタハ神殿の装飾や巫女の服装は、ツタンカーメン王墓KV62出土品などを参考にしているようです。
アムネリスの従者や凱旋の場面などでアフリカ系の人物が多く出てきますが、実際に新王国時代くらいからヌビア(スーダン)や近東系の人が宮廷に出仕していたようです。
来シーズンの演目がイマイチ、チケット代の驚異的な値上げ、過去公演舞台セット保管状況など気になる点も多いのですが、これからも応援したいと思います。またびわ湖ホール等関西の劇場も、打倒新国を目指して頑張ってほしいです。
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