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IWC ブレスレットのこまめな洗浄をたたえる

IWCのブレスレットの分解と洗浄

IWCのブレスレットの作り込みには定評があり、愛好家としてインターに惚れ込んでいる理由のひとつでもあります。精緻かつ頑強で耐久性に優れた伸びないブレスレットであり、IWCウォッチは可能な限りブレスレット付きの物を選ぶのが良いでしょう。

IWCブレスシステム(最近聞かなくなりましたが)は2本のプッシュピン(爪楊枝でも代用可能)でブレスレットの分解ができる便利な機構で、1990年代のGSTシリーズ以降のほぼ全てのモデルに採用されています。非常に便利な反面、致命的な問題を抱えており、こまめに洗浄しないと悲劇的な最期を迎えます。

着用に伴い皮脂や汗が入り込むほか、ブレスレットの金属粉なども出てきます。

ご覧の通り、極小のスプリングによって支持されたロックボタン兼プッシュボタンが、圧入されたワッシャーによってリンク中央に空いた穴に固定されています。

ユーズドの個体はまずブレスレットを分解のうえ中性洗剤と超音波洗浄で徹底的に洗浄し固着やゴミを排除することから始まります。

煮沸や凍結、潤滑油への浸漬やハンマーによる打撃など、様々な手段でも固着が解消しない場合があります。

最悪の場合、業務用の錆取り剤で強制的に固着を溶かしますが、ここまで酷い腐食ではロックボタンを抑えるワッシャー(圧入されているだけです)が痩せていることが多く、固着の解消と同時にスプリング・ボタン・ワッシャーが飛び出してバラバラに「爆発」します。

ユーズドの個体のブレスレット周辺が汚れていないか、またボタンが脱落していないかよく確認することが大切でしょう。ユーズドで流通している個体はほぼ全てブレスレットが汚くなっているため、徹底的な洗浄が不可欠です。なお、チタン製のブレスレットでもIWCブレスシステムの部品はステンレス製のため、油断は禁物です。

最近のモデルでは、IWCブレスシステムを採用しつつも外側のリンクに穴が貫通しない構造や、ポルトギーゼや新作インヂュニアのように、リンク単体での交換が不可なケース側に近いリンク(固定リンク)をはめ殺しにし、IWCブレスシステムそのものを除いています。

ここまで気を使ってブレスレットをキレイにしているIWCユーザーは私だけかもしれません。IWCブレスシステムは便利ですが、ウィークポイントでもあります。

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