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IWC インヂュニア デュアルタイムチタニウムRef.3264をたたえる

IWC インヂュニア デュアルタイムチタニウムRef.3264

お気に入り度◎◎◎◎◎◎
おすすめ度◎

良い点
・潜水も可能な12気圧防水
・インヂュニアSL Ref.1832ジャンボの系譜に正当に連なる21世紀のインヂュニアの発展形
・素晴らしいチタンケース
・ケース、ブレス共に極めてレベルの高い外装
・腕にフィットするケース
・目立たず品の良いGMTウォッチ
・微調整機能を備えたバックル
・ETAベースのためメンテナンスが容易

悪い点
・巨大なケースと比して小さい機械(裏蓋を開けると衝撃を受ける)
・好みの分かれるベゼルのデザイン
・耐磁ではない
・ペラトン式自動巻きではない
・日付の早送りができない
・ブレスレットを手入れしないと腐食し固着、脱落の危険性あり(IWCのブレスレット全てに共通のリスク)

ルクルトムーブを載せたRef.3521が廃盤になった後、数年間インヂュニアはラインナップから消えました。2005年、IWCはジェンタを呼び、再びインヂュニアに手を加えてもらおうとしました。しかし晩年のジェンタは作風が大きく変化しており、契約は成立しなかったようです。結局オリジナルのジェンタインヂュニアRef.1832のデザインを踏襲しつつ、グイ・ボベによる、スポーティなデザインのインヂュニアオートマティックRef.3227(2005年)が登場します。僅か4年でRef.3227が廃盤となり、その後2013年にクリスチャン・クヌープによるアップデートが加えられます。

ほぼ同時期に、上位モデルとしてチタン(ダブルクロノグラフ及びデュアルタイム)、カーボン(3針)、セラミック(3針)及びチタンアルミ(パーペチュアルカレンダー)製のインヂュニアがローンチされました。これらは46mm以上の大型ケースを持ち、ベゼルはこれまでのインヂュニアと大きく異なり幅が広く、ジルコニア製のビスで留められています。

チタンケースのインヂュニアが大好きですが、さらにGMT機能も備わった本作はまさにいいとこ取りであり、お気に入りのひとつです。

本来ラバーストラップのみのモデルですが、スイス本社に相談しチタン製ブレスレットをオーダーしました。バックルに微調整機構を備えたブレスレットの装着感は非常に軽快です。オールチタンとなり、まさにチタンの塊から削り出したような独特な雰囲気は素晴らしいものがあります。

SSケース同様にヘアライン加工などがされており、OCEAN2000のようなチタンらしさは少ないのですが、文字盤(チタンカラーです)と針がマットな仕上げでやや地味な印象です。

リューズ及びリューズガードにはラバーコーティングがされていますが、この辺りは好みが分かれるでしょう。巨大なジルコニア製ビスで留められたベゼルも、これまでのインヂュニアとは雰囲気が大きく異なります。

残念な点は、46mmもある巨大なケースの大部分がデッドスペースとなっている点です。cal.35720 (ETA2893-2ベース)が耐磁インナーケースも無くそのまま入っており、裏蓋を開けるとあまりに小さい機械にショックを受けます。無駄に大きいケースは一体何だったのか…。

裏蓋を開けた様子は下記リンクをご参照ください。

WATCH COMPANY
IWC インジュニア・デュアルタイム IW326403 CASE#4917 修理内容 修理ご依頼内容 不具合内容 担当技術コメント   【修理実例/参考価格23,000円~】 …

個性的なモデルなので、マニア向けでしょう。

チタンケースのGMTインヂュニアが欲しい方には好適ですが、ユーズドでも出物が少ない上、チタンブレスレットの本社オーダーと合わせるとかなりハードルが高いです。

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