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2024年GW 星野リゾート青森屋に宿泊

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星野リゾート 青森屋

星野リゾート 青森屋【公式】 | H...
星野リゾート 青森屋【公式】 | Hoshino Resorts Aomoriya 青森県・三沢市の青森文化を体感する宿。祭りや郷土料理、とろりとした肌触り温泉の露天風呂、広大な敷地内を巡る季節の馬車などを用意【ご予約はベストレート保証の当サイ...

ここの前身である古牧リゾートホテルが両親の新婚旅行先だったそうで、両親の意向で宿泊が決まりました。初めての星野リゾート体験です。星野リゾートと聞くと、高級宿泊施設というイメージをしていたのですが、行ってみると少し違う印象を持ちました。

建物概要

入口や建物から新しさを感じます。東棟、西棟、元湯と建物の位置がちょっと離れていることから、躯体は以前の旅館の再利用が考えられます。ただしっかり仕上げされていて、新しい印象を受けました。

内装のこだわりはやはり青森の木材の使用だと思われます。間伐材なのか節目の多い木材を壁やエキスパンションジョイントの仕上げに使っていました。

特に浮湯という大浴場(温泉)は、壁から何から木板の総貼りで驚きました。浴槽内では金物で板を打ちつけていたので、定期的に貼替をしているのかもしれません。

壁も落ち着いたグレー系の粗目のシートを使用しており、日本の旅館らしい落ち着きが感じられます。スリッパで館内をうろついたのですが、板貼りの床は柔らかく、カーペットよりも雰囲気に合っているなと思いました。

エンターテインメント性の高さ

脱衣所の天井にはほこりが垂れていて(荒い質感のシート貼り天井だったため、みのむしみたいに埃が下がっている)マニュアル外の対応には強くないことを想像しました。また従業員の対応も、高級旅館ほどには見られませんでした。

しかしこのホテルはそういう上品なおもてなしという方向ではなく、エンターテインメント性を発揮することから、青森、日本らしさを楽しむ宿泊施設としてお金がかかっているのだと思うと、その機能は十分に果たしていたと思います。

浮見堂

ヒバの詰め放題

まずは受付で少し心もとないチェックインを済ませたら、指定された部屋までの道中にヒバの間伐材と思われるチップの詰め放題が設置されていました。これは一般的に、暮らし用品店でお金を払って行う詰め放題です。歓喜です。がめつきたい気持ちを抑え、小さな巾着に詰めてほくほくと部屋へ向かいました。本当に良い香りで、嬉しいおもてなしです。

客室

お部屋は5階の角部屋。部屋鍵はリンゴの木材で、カード式ではなく一般的な鍵で開けるタイプでした。部屋に入ると飾り棚に八幡馬(青森県八幡市の工芸品)が二匹ならんでいて、これが可愛い。そこの伝統スイッチがたしか「おもてなし棚」と書いてあって、粋な計らいだなと思いました。

まだまだ粋な計らいは続きます。そしてベッドやクッションに南部裂織という田舎の素朴で温かみのある織物が使われていてかわいい。部屋に工芸品をたくさん置いて、旅客に使わせるというのはとても良い商法だと思います(つられました)。

和室のお部屋でしたがベッドが並んでおり、ベッド3つの寝室と、ベッド2つとTVのリビングルームに分かれていました。リビングルームの方は本畳を使用していて、我が家は薄畳ですので羨ましく思いました。

イベントスペース

食事の会場に向かうまでの間には、イベントスペースを通ります。そこはお金を使った高級な文化祭会場のようでした。提灯が並び、椅子も並び、まるで桝の中に入ってお酒を飲めるスペースやほたて釣りコーナー、おそらく夜の散歩用の行灯屋さん、リンゴジュースが出る木(時間外になると「今日は枯れました」と看板が出る)などがありました。あ、今思ったのですがこれ、すごく建築学生の頃に見たコンペ感があります。この体験目白押しな感じが、それにそっくりです。

他にも面白いスポットがたくさんありました。おそらく星飛雄馬の家があったり、古めかしい雰囲気の遊技場(ゲームセンター)、リンゴの品目一覧表など、眺めているとあっという間に時間が経ちます。

浴衣のレンタル

さてそのイベントスペースの中に呉服屋さんがあり、そこで浴衣を借りることにしました。550円で2泊3日借りたままでいられるそうで、初めはやらなくてもいいのでは?と思いましたが家族全員分借り、これが後々正解でした。

もし浴衣を借りていなかったら、2泊3日の間を甚平で過ごしていたら、その寝間着感からなんとなく怠重くなっていたと思います。帯を締めるとシャンとします。

サイズがS・M・Lの3展開で、柄も結構な種類がありウキウキしました。自分に合うサイズが分からず「1つ広げて良いですか」訊ねたら、呉服屋担当の方はなんと中国の方で、しかも広げるのを断られました。驚きです。口頭で説明を聞くしかなくなり、おはしょりする感じでLを着た方が良いのか、Mの方が良いのかを聞いたところで言葉が通じなくなってしまい、最終的に日本の従業員さんを呼んできてくれました。Lは身幅が大きすぎるだろうという話でMにし、少し短いけど浴衣ならまあこんなもんね、というところでひと段落しました。着られたから良いのです。

大浴場(浮湯)

イベントスペースに隣接した元湯という大浴場へと向かいます。脱衣所では温泉のマナーを中国語と英語で解説した、鳥獣戯画を模したアニメ動画が流れていました。そこで「静かに温泉に浸かることで五感から癒されることができます。静かに楽しみましょう」というようなことを言っていて、思わずわが身を振り返りました。結構お喋りしてしまっています・・・。

浴室に入ると、先ほど述べたように総板貼りに驚きます。

お湯はぬるっとしておりアルカリ性でしょう。効能の記載はありませんでしたが、温泉らしいお湯でとても気持ちよかったです。

あつ湯とぬる湯に分かれており、そんなにあついのかなと入ってみれば全く熱くなくて、もしかしたら外国人向けに低めに設定しているのかもしれないと思いました。

露天風呂もありそちらに行くと、外に出て早めのところまで浴槽が伸びており、出てすぐにひざ下まで浸かれるので、外に出た時の寒い時間を少しでも短くする設計に、さすが青森の星野リゾート、と思いました。

楕円形で肌触りの良い小さな石で固められた浴槽から、木々に囲まれるようにして人工的な池が眺めました。その池には直径40cmくらいでしょうか、中に蝋燭を模したLED球の入った和紙風ボールがいくつも浮いていました。夜になると水面に光る玉と、水底から1本立つ桜(造花)のライトアップで、幻想的な風景が楽しめるようになっています。私は天気的に見られませんでしたが、夜空が晴れていたら綺麗な星も眺められただろうと思います。昼間に池を近くで覗くと藻があるので、遠目に見るのが丁度よいです。

その池から振り返るようにして建物を見ると、見事な唐破風(くねっとした屋根)がついていて、日光東照宮のような荘厳な雰囲気があり、池よりもこちらの風景が私は気に入りました。

入浴後は棒状で吸うタイプのゼリーを食べることができ、またリンゴのなる木からリンゴジュースをいただけて、入浴後に胃の中も満たされました。それから20:30からは日本酒の試飲をすることもでき、お風呂上りは回りやすいですが、これも嬉しくて思わず飲んでしまいます。

バイキング

すごいサイズのプリン

その後食事会場へと向かいました。食事時間の予約はチェックイン順にできるそうで、私たちは到着が遅かったためちょっと早めかちょっと遅めしか選べませんでしたが、父の飲酒の時間を気にすること以外特に問題はありませんでした。

ただ早めの夕食(17:30頃)になると子連れが多く、子どもの多いバイキング会場はちょっと落ち着かなかったので、夕食早めか遅めかならば、遅めをお勧めします。

待合スペースもお茶屋さんの雰囲気で抜かりありません。井戸水の汲み上げ機(トトロに登場するもの)の横にその水を張ったと思われるたらいで大根やリンゴなどが冷やされていました。

入り口を入ると早速三角巾を被った、竃家(鬼滅)のお母さんのような恰好をしたきれいなおかみさんがライブクッキングをしている所に出ます。また海鮮丼やてんぷらなど、特定のものは出店のような雰囲気でデザインされていて、見て楽しい場所でした。

誘導してくれた方がバイトの方だったようで、よくわからないルートを通ったり、水がこぼれるほどがたつく机に案内されたり、何を言っているか聴き取れなかったり、思うことは色々ありましたが、ごはんはおいしかったです。

何を食べてもおいしかった。特におかみさんの牛串とリンゴのコンポートが気に入りました。あ、あとカレーもよかった。その時のごはんもおいしかったなあ。お米の種類の記載が無かったので、せっかく宿泊部屋に工芸品を持ってくるのであれば、お米の品目も書いておくと売れるのでは、と思いましたがマニュアルが許さないのかもしれませんね。

海鮮関係に強いようで、ホタテをはじめとする魚介類が多く、どれも新鮮でおいしくいただきました。朝食には海鮮丼(うまじゃ丼との説明。所々で方言表記がある)というマグロとイクラとサーモンの載せ放題があり、最高でした。海鮮丼を夜に持ってきていないことや、バイキング会場ではないところに設置してあるコーヒーメーカーにはカプチーノとエスプレッソの選択をすることができるといった、こういうところの賢さが星野リゾートなのだなと思いました。

2泊3日ということで、夜・朝・夜・朝とこちらの会場で頂いたのですが(事前予約すると旧渋沢邸でいただけるのだとか?)、1日目と2日目では20品目入れ替わっていました。

元湯

宿泊棟から歩いた10分くらいのところに元湯という温泉棟があります。私は館内にある浮湯よりもこちらの元湯の方が気に入りました。源泉に近いのか濃度が濃く、洗面の水道の方からも温泉が出ていました。

露天は無く室内風呂のみで、朝日が赤や黄色など、波打つ津軽ビードロを通って差し込む様子はとても美しく、温かみがありました。宿泊棟からバスが30分置きに出ているのですが、その始発の前に行ったことで完全に独り占めできて、思う存分堪能できました。浮湯よりも熱めになっており、朝風呂にちょうどよかったです。こちらの管理をしている女性の感じもよく、とても気持ちの良い朝を過ごすことができました。

バスを待つまでの間、ピロティのような場所に設置されたこたつに足をいれて待ちました。岩から流れ落ちる水流を眺めつつこたつで温まるのは風情がありました。

盛り沢山な散歩コース

宿泊棟からそう離れない場所に30~40分の散歩コースがあります。池をぐるっと周回するコースで、渋沢邸があります。星野リゾートの前に立っていた、古牧グランドホテルの創業者が渋沢栄一氏の秘書だったのだそうで、東京の三田から移築したのだとか。渋沢大門という凱旋門を彷彿させる和風の門や、城を思わせる石垣や、朱色の橋に財力を感じさせます。コースの中央には浮見堂というお堂があり、反対側から見るとちょうど池にお堂が反射して、まるで浮いている様に見えました。また敷地の端の方にはポニーや馬小屋があります。彼らは馬車の運行をしているようです。ところどころ高山焼のランプシェードが置いてあったり、青森らしさのアピールも忘れていません。ぐるっと周回した最後に、足湯に入りました。足湯横にフェイスタオルがしまわれていて、大変画期的でした。

”みちのく祭りや”のレベルがすごい

事前予約で「みちのく祭りや」というショーを鑑賞しました。イベントスペースから路地裏に抜けるようにして質の良い木材でできた階段を上ると、金山焼でできたレリーフが見えてきます。そこを右に曲がると、プーさんのハニーハントのように、せり出してくるようにしてねぶたの山車や、関連のものが迫力ある形で展示されていて、思わずワクワクしました。そして上手からホールに入ります。思ったよりも高い天井で、正面のスクリーンは横長で、20mくらいあったでしょうか。そのスクリーンを眺めるようにして、10列弱の客席がありました。指定された畳のベンチに着席し開演を待ちます。もっとこじんまりとした会場を想像していたので、意外さが嬉しかったです。また夜の部だったのですが、子どもたちも多く来ていました。

そしてショーが始まり、すぐに思っていたのとは違ったと気づきました。これは演劇です。青森の春夏秋冬に合わせて一人の女の子がストーリーを語りだします。そして完璧な笑顔。演劇出身の子なのでしょうか、とても勘もよく、賢い演者でした。

プロジェクションマッピングや影絵など、これ以上の工夫はないのではというくらい、色んな方法で青森を見せていきます。影絵の見せ方もあんなに面白いものだったのかと新鮮でしたし、プロジェクションマッピングに合わせた登場の仕方、獅子舞ならぬトラ舞にはどれほどの練習を重ねたのでしょう。クオリティの高さに感嘆してしまいました。また全力で声を出す姿や、若者のエネルギッシュさと、ただ楽しんでほしい、青森を知ってほしいという実直さに尊敬の念を抱きました。彼女たちがいなくなったら大丈夫なのだろうかと心配するほどのめりこみ、その吸引力が強すぎて、21時~22時のショーでしたので、このあとなかなか寝付けないのではと思いました。あの子たちができるだけ長く、あのショーを続けてくれることを祈ります。

途中津軽三味線と歌謡のシーンもありました。最近お琴のお稽古に通っているので、よくよく耳を大きくして聞いていました。良い音というのはどういう音なのか、勉強させてもらいました。

またプロジェクションマッピングをあんなに近距離で見たことがありません。これが、あのプロジェクションマッピングね!と堪能することができました。ネタバレになってしまうのであまり言いませんが、かっこよさがより際立ちました。

有志でヤッテマーレと踊る時間があったのですが、おそらく地元の人なのでしょう、客席でも普通に体を動かして掛け声をしている人がいて、地元の血が通っているのを羨ましく思いました。素敵です。私には地元の祭りはありますが、このように一丸となって熱く燃え上がる様なものではありません。ねぶたの良さに充てられて、私にも私の中で灯っているものを長く続けていけたらいいな、音楽を長くやれたらいいなと思いました。

へばな~というのはまたね、という意味でショーの最後に教えてもらいました。へとばの間にはんが入るのだそうです。へんばな~・・・?うまく言えないわね。

明朝チェックアウトした時に、お見送りで太鼓をかっこよく叩いていた男性の方が旗を振ってくれて、体力の強さにもはや驚愕です。すごいなあ。

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