斜陽館
斜陽館は太宰治が生まれ育った家です。太宰ファンの聖地です。
以前は宿泊施設として使われていたそうですが、現在は記念館として建物の公開と太宰の私物などの展示をしています。
太宰治は人間失格くらいしか読んだことがありませんでしたが、読んでみようと思いました。
和洋折衷の建物
外観からして和洋が混在しています。レンガ壁に瓦屋根、重厚な門。財力がにじみ出ています。中に入ると大きなたたきがあり、竃があり。歪んだガラスの向こうにはレンガを背景に日本風の箱庭が望めます。
当時は珍しかったであろう電話もありました。階段は洋風で、壁も天井も真っ白な漆喰塗、植物模様が施された黒光りする手摺が設置されています。応接間には金屏風。妻の部屋には日本画が描かれたふすま。お洒落な欄間と、欄間からの風を閉ざすための掛物。まあ豪邸だこと。
蔵
地域の豪商や豪農にはかならずあると言ってよい蔵。こちらには太宰に関する寄贈物や、家の食器類、太宰の家族の品や手紙などが展示されていました。
特に私が気になったのは、太宰から嫁に行って寂しがる姪へ宛てた手紙です。その内容が愛に溢れていてよかった(僕も似たような気持になるから大して変わらないよ、陽ちゃんは陽気に過ごす願いを込められているから、その名前に準じなければいけないよ)。時代的にもギリギリ内容を読み取れます。あとは叔母からの言葉を書に起こして掛け軸にしているのも面白かったです(お前はこれができないのだから、これをしろ、みたいな内容)。
太宰の最期について
太宰の人生を見ると、お金があればあながち幸せというわけではないのだなということを改めて思いました。自己との対話で自分がもつれていってしまったのではと思います。
この満たされているからこそこじれていく、現代人に通ずる苦しさを彼は感じていたのではないかと想像します。
太宰治風の写真が撮れてたのしい
写真撮影は蔵以外どこでも可とのことで、ねらえば良い写真がたくさん取れると思います。思ったよりも混んでいて驚きました。太宰風の黒いマントを着て写真の撮れる場所もありました。
小説の一節を切り抜いたフリップがあり、その中から似合う言葉を見つけて、それを持って写真を撮るのも楽しかったです。
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